■製麺所潜入記 なかむら

丸亀市飯山町西坂元1373-3
9:00〜14:00
(麺終了次第閉店)
定休:火曜
かけ小 100円
生卵 50円

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『客が自分で畑にネギを取りに行く店』で有名になった。
はたして「さぬきうどん初心者」は無事になかむらのうどんを食べられるのだろうか?!

平成13年。讃岐うどん初心者の俺は、その日「なかむら」にアプローチを試みようとしていた。
「店がまず見つけられない」
「曲がり角が狭くクルマを擦る人が続出」
「ネギがなければ外の畑に自分で取りにいかねばならない」
「御主人が無愛想」などなど…。

「なかむら」には恐ろしい情報が山ほど流布されていた。セルフ店での手順もろくに知らない俺には、ここは手強すぎるのか…。
壁だ。俺となかむらの間にはとてつもなく厚く高い壁がそびえ立っている。

しかし…戦わねば。ここですごすごと引き下がるわけにはいかない。照準の狂った非力な銃しか持っていなくても、男は戦わねばならない時があるのだ。
俺は獲物を狩る時の猛獣の目をして、なかむらへのルートを探った。

一度は通り過ぎてしまったが、なんとかそれらしい路地を発見。意を決して侵入を試みる。

なるほど…接近を拒むようなシビアな侵入路だ。慎重にステアリングを操作してクリア。まず第一の壁を突破した。
看板もなにもない。普通の民家…小さな小屋…ここなのか?ここがうどん屋なのか?
香川ナンバーのクルマが2台駐車している。
ここが「なかむら」である確信が持てぬまま、俺は愛機を停め、地上に降り立った。

懐の銃の安全装置をカチリと外す。どう見てもボロ小屋にしか見えない建物に、俺は足音を立てないよう細心の注意を払いながら接近する。
背中に冷たい汗が流れ落ちるのを感じながら、俺はひとりごちた。

「うどん食うのになんでこんな緊張せなあかんねんッ!!」

意を決して俺は一気に扉を開けて中に飛び込んだ。釜が湯気を上げている。確かにここはなかむらだったのだ。

しかし!!なんてこった!俺が飛び込んだのは正式な入口ではなかったようだ…。向こうの扉にのれんが掛かっているではないか!
しまったぁ!
俺は銃を構える暇もなく自爆してしまったのだ。

ヨレヨレになりながら俺は店員の女性(奥様か?)からうどんを受け取った。
ぅぐ…御主人はこちらを見ようともせずに釜に向かっている。噂通りの無愛想さだ。一瞬その空虚な雰囲気にメゲそうになるが、気を取り直して店舗中央の台に向かう。
これだ!これが噂のネギ切りゾーンだ!無造作に置かれたまな板と包丁。おぉそしてその上にネギが!これで畑に取りに行かなくてもよい。俺は胸を撫でおろした。

俺はザクザクと無器用にネギを刻んで丼に入れた。さて…先客は3人。すでに座ってうどんを食べている。
ガッデム!!これでは初訪のセルフ式うどん屋の鉄則「前の人のやり方を見てマネしよう!」ができないではないかッ!
しかし俺は負けない。戦場で索敵する兵士のように素早く視線を巡らせてかけダシのある場所を発見し、ダシをかけた。
しかしすぐに次の試練が俺を襲った。
選択の時だ。つまり…代金を先に払うのか後に払うのか…わからない。先客はもくもくとうどんを食べている。しかし地元の人間だと思われる彼らは密かに俺の一挙手一投足を観察している。
…絶体絶命だ。そして俺は言った。

「あの〜、お代金は…」
「あ、後でいいですよ!」
!!即答!!
俺のような不慣れな訪問者が多いのだろう。(現在は先払い方式です)
しかしこれでついにそびえ立つなかむらの壁が崩れた。俺の脳裏にベルリンの光景が浮かぶ(←なんでやねんッ)。
ここに突入してから初めて緊張を解き、俺は1杯のうどんと対峙したのである。


幾多の困難を乗り越えてようやく辿り着いたぜなかむらうどん!
箸でつまみあげて一気に口に…

ずっずっずず〜ッ♪

???

その瞬間、意外な食感に戸惑う俺。
なんだ?柔らかいではないか!?クニュクニュしている。なんだこれは…コシがないではないか!讃岐うどんは歯を跳ね返すような強いコシがあるのではないのか?これは…ハズレうどんなのか…K

やっとたどり着いたオアシスが実は蜃気楼であったような絶望感に襲われる俺…。
しかし0.5秒後にはその絶望が驚嘆に変わった。

????!!!!
なんだこれは???

クニュクニュなのにムチムチムニィ〜ンとした粘り…というか弾力というか…柔らかいのに歯応えがある…という、未だ体験した事のない謎の物体だった。そしてそれはスルスルと喉を通るのだ。
官能的な何かの片鱗をなかむらのうどんは覗かせている。

これもコシか…これもうどんのコシなのかぁぁ?

恐るべき讃岐うどん。こうして俺は讃岐うどんの奥の深さ、麺自体の多様性を思い知らされたのであった。

ThankYouなかむら!
傷だらけになりながらも、あなたと戦えて俺は幸せだったぜ。

追伸:現在は土器川堤防沿いの綺麗な道が出来ており、そこから楽にアプローチできます。相変わらずお店の看板はありませんが、高〜いポールに鯉のぼりが泳いでますから場所はすぐわかります。ネギも準備されてるので安心です♪


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